OBSで音声フィルタをかける順番について
今回は、OBSで音声フィルタをかける順番についてのお話です。
OBSの音声フィルタをかける順番が音質に及ぼす影響は、オーディオエンジニアリングやサウンドデザインにおいても非常に重要な概念です。
フィルタの適用順番によって、最終的な音質が大きく変わることがあります。
以下、OBSの音声フィルタの内容と、その適用順番による音質への影響を詳しく解説します。
今回紹介している内容は、以下の動画でも説明しておりますので良ければ参考にしてみてください。
<OBSで音声フィルタをかける順番ってこれで合ってますか?という質問への解説【OBS Studio初心者向け使い方動画】>
音声フィルタの設定方法
音声フィルタは「音声ミキサー」部分から該当音声ソース(画像ではマイク)の三点リーダー(・・・)をクリックして「フィルタ」から設定できます。
フィルタ左下の「+」ボタンをクリックすることで、音声フィルタを追加できます。
それぞれの音声フィルタの意味合いについて見ていきましょう。
1. ノイズゲート (Noise Gate)
このフィルタは、音の入力レベルが特定のしきい値を下回ると音声をミュートします。
例えば、マイクの背景ノイズを消すために使用されることが多いです。
影響: ノイズゲートを最初に適用すると、他のフィルタが後に適用される音声は、不要な低レベルのノイズが除去された状態となります。これにより、他のフィルタがノイズを強調するリスクが低減します。
2. ノイズ抑制 (Noise Suppression)
背景ノイズを減少させるためのフィルタです。
影響: ノイズサプレッションを先に適用すると、コンプレッサやイコライザーがその後に適用される際、目立たないノイズを強調してしまう可能性が低くなります。
3. コンプレッサー (Compressor)
音声のダイナミックレンジ(最大音量と最小音量の差)を狭くするためのフィルタです。
影響: コンプレッサを早い段階で適用すると、その後のフィルタが作用する音声のダイナミックレンジが均一になります。しかし、コンプレッサを適用した後にノイズゲートやノイズサプレッションを使用すると、ノイズのレベルも上がってしまう可能性があります。
4. 3バンドイコライザー (EQ)
特定の周波数帯の音量を調整するフィルタです。
影響: イコライザーの適用順序は、目的によって変わります。例えば、ノイズサプレッションやノイズゲートを適用する前に特定の周波数帯をブーストすると、その周波数帯のノイズも強調される可能性があります。
5. リミッター (Limiter)
音声の最大音量を制限するフィルタです。これにより、音声が歪むのを防ぎます。
影響: 通常、リミッターはフィルタチェーンの最後に配置されます。これにより、他のフィルタによる調整を行った後の音声が指定された最大音量を超えないように保証します。
結論: OBSの音声フィルタの適用順序は、最終的な音質に大きな影響を及ぼします。フィルタの性質を理解し、実際に何度も試行錯誤して最適な順序を見つけることが、高品質な音声を得るための鍵となります。
OBSの音声フィルタの順番と影響について
OBS Studioにおける音声フィルタは、「上から順番に」適応されていきます。
例えば音声フィルタが以下のように適応されている場合は、「ゲイン(=音声の増幅)」を行った後に「ノイズ抑制」を行うという順番で処理がされます。
一方、下記のように音声フィルタが適応されている場合は、「ノイズ抑制」を行った後の音声を「ゲイン」します。
これらの順番が与える影響としては、例えば「非常にガヤガヤとノイズが大きい環境」においては、「先にゲインを適応」させてしまうと、「ノイズ判定させるべき音が非常に大きくなってしまい、除去しきれない」などの弊害が起こる可能性があります。
これらはケースバイケースですが、音声モニタリングを行って「なんだかこのフィルタの順番だと、音声が途切れ途切れになってしまうな」などの異変を感じた場合には、音声フィルタの順番を変更する必要があるという事です。
まとめ
OBSの音声フィルタは、適用する順番によって音質に大きな影響を与えます。
例えば、ノイズゲートやノイズサプレッションを初めに適用することで、他のフィルタが背景ノイズを強調するリスクを減少させることができます。
音声に関しては、「音声ミキサー」や「オーディオの詳細プロパティ」についての記事もお読みください。
一方、コンプレッサやイコライザーの適用順番は、具体的な目的や音声の特性によって調整する必要があります。
そして、リミッターは、音声が歪むのを防ぐため、通常はフィルタチェーンの最後に配置されます。
最終的には、フィルタの性質と目的を理解し、何度も試行錯誤して最適な順序を見つけることが、高品質な音声を実現する鍵となります。
マイク設定については、こちらの記事でも紹介しておりますのでぜひ参考にしてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。